この気持ちをあなたに伝えたい
「あたしさ、高校を入学する前は高校で新しい友達を作って、一緒に雑誌を読んだり、菓子を食べたりすることが楽しみだったんだ」

 最愛と友達になってから美鈴はそれを一緒に楽しんでいる。最愛は美鈴と同じクラスの友達とも気軽に話すことができる友達になっていて、四人で休日に遊びに行ったこともある。

「これからも続ければいいのよ」
「大学が別々になっても、友達でいてくれる?」
「大歓迎だよ!」

 互いに微笑んで握手を交わしてから、食事をした。友達も大切で、美鈴はその存在にとても感謝している。
 家族と食事をするときと友達と食事をするときとは嬉しさや楽しさは似ている。

「最愛、この後も勉強?」
「もちろんするよ」
「はぁ・・・・・・」

 十分休憩する予定だったのに、大きく狂ってしまっていた。
 本当だったら、一時間後に料理をするはずだったのに、いつの間にか最愛と美鈴は勉強のことを忘れて作っていた。
 全力で拒否する美鈴を説得しながら、食事の後に勉強を一緒にやった。
 それから一週間後、テストが無事に終わったので、二人ははしゃいでいた。

「やっとテストが終わったね!」
「本当、これで安心だよ。美鈴、はい、これ。お誕生日おめでとう!」

 最愛は美鈴に用意しておいたプレゼントを渡した。

「ありがとう! 最愛!」
「うん!」

 袋の中を開けると、そこに入っていたのは美鈴が好きなアーティストのCDだった。
 随分前に好きなアーティストの話をしたことがある。美鈴が最愛に話したのは一度だけ。それを忘れていないので、美鈴は驚いていた。
 最愛も他の友達も誕生日を祝ってくれたことが本当に嬉しくて、美鈴は涙が出そうになった。
 
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