この気持ちをあなたに伝えたい
「学校の帰りに貼る・・・・・・」
「どうしてやられたか、わかる?」

 最愛は美鈴に餌打のことで彼女が怒っていたことを伝えた。
 餌打の女遊びの範囲が広く、そのことに最愛も美鈴も彼に呆れていた。
 噂がまだ信じられているのは餌打が堂々と嘘を吐いていることも強い影響があるから。話を聞いた美鈴は餌打に対して、激怒していている。
 
「私、どうしてこんな目に・・・・・・」

 嫌なことばかりなので、最愛は顔を歪める。

「あたしも濁っていた・・・・・・」
「・・・・・・美鈴?」

 最愛は顔を上げて、美鈴を見ながら名前を呼ぶ。

「美鈴? どうしたの?」
「上辺だけに騙されて、最愛に会ったばかりのときにすごく嫌な思いをさせた。ごめん・・・・・・」
「そんな・・・・・・」

 最愛に謝りながら、美鈴は泣いていた。自分自身があまりにも醜くて、それを痛感した。
 美鈴の頭を最愛はそっと撫でた。

「美鈴、私はあのとき嫌な気持ちだったけれど、こうして友達になれたじゃない?」
「うん」
「同じことを繰り返さないようにすればいいんだよ。今度はちゃんと、本当に自分だけを想ってくれる人を見つけるの」

 最愛が一番泣きたいのに、先に美鈴が泣いたので、最愛が慰める。慰められている美鈴はそんな自分が嫌になる。

「ぐすっ・・・・・・そうね・・・・・・」
「彼、痛い目を見るよ? 必ずね・・・・・・」
「そうだよね・・・・・・」
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