この気持ちをあなたに伝えたい
「礼雅お兄ちゃん、歩けるから!」
「おっと!」
両手と両足をバタバタと動かしていると、礼雅が腕に力を込めた。
「こらこら、暴れない」
「だって・・・・・・」
「痛いんでしょ? あんな滑るように転んで。ほら、歩道にも血が付着している」
見ると確かに血がついていた。パニックになっていたから、全然気づかなかった。他の人が見たらちょっと怖がるに違いない。
おんぶされている間、最愛は何度も後ろを見て誰もいないか確認をした。
「何かあるの?」
「・・・・・・ん?」
「後ろ。さっきからずっと見ているから」
最愛は適当なことを言って、誤魔化そうと試みた。
「えっと、音が鳴ったと思ったから・・・・・・」
「音? 何の?」
礼雅の足が止まり、後ろを振り向く。
「それがわからないから、確かめようと思っただけ」
「音ね・・・・・・」
後ろには誰もいなかった。礼雅と会うまで誰かにつけられていたが、今は違う。ストーカーはもういなくなった。
「何も音がしないよ? 疲れているんじゃないの?」
「そうかもしれない」
溜息が漏れそうになったので、堪えながらどうしようかとひたすら考えた。狙われる時間は大学の授業が終わってから。ストーカーは背の高さや動き方から見て、男だということはわかるが、はっきりと顔を見たことがない。
不意に礼雅に呼ばれて、最愛は驚きながら返事をする。
「ごめんね」
「どうして謝るの?」
礼雅が最愛に謝る理由が思いつかない。
「だって驚かせなかったら、怪我をしなかったかもしれないでしょ?」
「ち、違うよ! 私がドジなだけだから!」
「おっと!」
両手と両足をバタバタと動かしていると、礼雅が腕に力を込めた。
「こらこら、暴れない」
「だって・・・・・・」
「痛いんでしょ? あんな滑るように転んで。ほら、歩道にも血が付着している」
見ると確かに血がついていた。パニックになっていたから、全然気づかなかった。他の人が見たらちょっと怖がるに違いない。
おんぶされている間、最愛は何度も後ろを見て誰もいないか確認をした。
「何かあるの?」
「・・・・・・ん?」
「後ろ。さっきからずっと見ているから」
最愛は適当なことを言って、誤魔化そうと試みた。
「えっと、音が鳴ったと思ったから・・・・・・」
「音? 何の?」
礼雅の足が止まり、後ろを振り向く。
「それがわからないから、確かめようと思っただけ」
「音ね・・・・・・」
後ろには誰もいなかった。礼雅と会うまで誰かにつけられていたが、今は違う。ストーカーはもういなくなった。
「何も音がしないよ? 疲れているんじゃないの?」
「そうかもしれない」
溜息が漏れそうになったので、堪えながらどうしようかとひたすら考えた。狙われる時間は大学の授業が終わってから。ストーカーは背の高さや動き方から見て、男だということはわかるが、はっきりと顔を見たことがない。
不意に礼雅に呼ばれて、最愛は驚きながら返事をする。
「ごめんね」
「どうして謝るの?」
礼雅が最愛に謝る理由が思いつかない。
「だって驚かせなかったら、怪我をしなかったかもしれないでしょ?」
「ち、違うよ! 私がドジなだけだから!」