この気持ちをあなたに伝えたい
見えなかった正体
「・・・・・・私の噂?」
「そう。広がっていっているみたい」
「嘘だろ・・・・・・」
最愛の噂が大学の中で広まっていることを知ったのは数日後のこと。
「誰が言っていたんだ?」
「えっと、別の学部の人達が言っていたよ」
同じゼミで友達になった那知上真名(なちがみまな)の話によると、最愛が別の大学生に高校のときから嫌がらせをしているという噂が前から流されているとのこと。
「その噂をしている人達の学部と名前はわかる?」
「そこまではわからない」
「そっか・・・・・・」
一号館から移動しようとしたとき、真名が慌てて最愛の腕を引いた。
「あ! あの人達だよ!」
「真名、一緒に来てくれ! 私だけだと、話してもらえない!」
タイミングがいいことにこっちに二人の女性が向かって歩いている。一人は大人しくて清楚なお嬢様みたいな人で、もう一人は明るく、体を動かすことが好きそうな人だった。
もっと情報を集めたら、何かわかるかもしれないので、話を聞かせてもらおうと、二人に近づいた。二人の前に立ちはだかると、二人とも足を止めてくれた。
「すいません。大学生の嫌がらせについての噂について教えてもらえませんか?」
二人は顔を見合わせた。突然こんなことを言われたら、思わず黙ってしまうのは当然のこと。
短い沈黙の後、お嬢様みたいな人が先に口を開いた。
「噂だから本当とは限らないのよ?」
まるで子どもに言い聞かせるような柔らかな声だった。
「どうしても知りたいんです!」
「いいんじゃない? 話しても」
もう一人ははっきりとした声をしていた。
「そう。広がっていっているみたい」
「嘘だろ・・・・・・」
最愛の噂が大学の中で広まっていることを知ったのは数日後のこと。
「誰が言っていたんだ?」
「えっと、別の学部の人達が言っていたよ」
同じゼミで友達になった那知上真名(なちがみまな)の話によると、最愛が別の大学生に高校のときから嫌がらせをしているという噂が前から流されているとのこと。
「その噂をしている人達の学部と名前はわかる?」
「そこまではわからない」
「そっか・・・・・・」
一号館から移動しようとしたとき、真名が慌てて最愛の腕を引いた。
「あ! あの人達だよ!」
「真名、一緒に来てくれ! 私だけだと、話してもらえない!」
タイミングがいいことにこっちに二人の女性が向かって歩いている。一人は大人しくて清楚なお嬢様みたいな人で、もう一人は明るく、体を動かすことが好きそうな人だった。
もっと情報を集めたら、何かわかるかもしれないので、話を聞かせてもらおうと、二人に近づいた。二人の前に立ちはだかると、二人とも足を止めてくれた。
「すいません。大学生の嫌がらせについての噂について教えてもらえませんか?」
二人は顔を見合わせた。突然こんなことを言われたら、思わず黙ってしまうのは当然のこと。
短い沈黙の後、お嬢様みたいな人が先に口を開いた。
「噂だから本当とは限らないのよ?」
まるで子どもに言い聞かせるような柔らかな声だった。
「どうしても知りたいんです!」
「いいんじゃない? 話しても」
もう一人ははっきりとした声をしていた。