この気持ちをあなたに伝えたい
　最愛が両手で目を隠していると、深香が頭を下げて謝った。

「ごめんね、急に押しかけた上に夕食まで食べさせてもらって・・・・・・」
「いいって、作ったお母さんもかなり喜んでいたから」

　美味しいものをたくさん食べてもらおうと、いつもより多い献立となった。それには全員が沈黙するくらいの量だった。

「どれも美味しくておかわりしちゃった！」
「するよな・・・・・・」

　ご飯は一人増えたから三合炊いていて、食事が終わったときにはほとんど残っていなかった。

「働くようになったら視野が広がるな」
「接客の仕事がいいな。人と話すことが好きだから」
「好きなことがあるのはいいことだ」

　深香とお喋りをしていると、時間のことを忘れていた。鏡の前に座って髪が邪魔にならないように後ろで結んだ。自分の持っている化粧ポーチと深香の化粧ポーチを使ってメイクをしてもらうことになった。

「これ、新作のチークだよね？　テレビでやっていた！」
「そうだ。通常の価格より安くなっていたから買ったんだ」
「モデルってとても綺麗だよね！　食生活とか肌のお手入れとか工夫しているんだろうね」
「中にはかなり大食いのモデルもいるから驚きだ・・・・・・」

　そのモデルの外食する金が自分の四倍だった。見ているだけで満腹感が満たされる。おまけにスタイルを維持しているから羨ましい。

「ちょっと話を変えていい？」
「どうぞ」

　ちゃんと話題を変えることを言ってくれたので、何の話題にするのか気になる。

「当日に礼雅さんと二人で行くことを聞かされるとは思わなかったよ。時間があったからこうして家に来れたんだよ？」
「でも、そんなに重要なことか？」
「当たり前だよ！」
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