この気持ちをあなたに伝えたい
「あ! これを見て!」
「ん? 何を見せてくれるの?」
最愛は大切なことを忘れるところだった。
ランドセルからガサガサと音を鳴らしながら、くたびれたテストの答案用紙を見せた。
「ちゃんと頑張ったね! 約束通り、近いうちにマフィンを買ってくるから」
「本当!? やった!」
最愛は満面の笑みで両手を空へ掲げて、飛び跳ねた。
「何がいい?」
「プレーンマフィンも食べたい!」
最愛のお気に入りのマフィンなので、また食べることを楽しみにしている。
「わかった。楽しみにしていて」
「わーい! やった!」
テストの答案用紙を返してもらい、礼雅と手を繋いで話しながら歩いていた。
その間、最愛はずっと機嫌が良かった。
「今日、俺の家に来る?」
「行きたい!」
首が取れるくらいに何回も頷いていると、礼雅に苦笑いをされた。
マンションのエレベーターから降りると、母が礼雅の家の前で立っていた。
「ただいま!」
「おかえり」
母は愛娘にふんわりと優しげな笑顔で迎える。
「あの、どうぞ中へ」
「ううん、いいの。これを渡そうと思って、来ただけだから」
母が手にしているガラスの容器の中に入っているものはポテトサラダ。
「さっき作ったんだけど、作り過ぎちゃったから」
「ありがとうございます」
「礼雅お兄ちゃん、今夜一緒に食べよっか?」
最愛の台詞に母がストップをかけた。礼雅も驚いているのに、最愛だけにっこりと笑っている。
「何言ってるの?」
「いいでしょ?」
母に反対されても、最愛は諦めるつもりなんてない。
「駄目よ。ちゃんと家で食べなさい」
「嫌!」
最愛は母から逃げて、すぐに礼雅の背中に隠れた。
「嫌がらないの!」
「嫌なの! 嫌だったら!」
礼雅の腕にしがみついていると、母は剥がしにかかったが、最愛がコアラのようにぶら下がっているので、母は困った顔をした。
「最愛!」
「礼雅お兄ちゃんとがいい!」
母が怒っていても、最愛は諦めずに言い返す。
「いい加減、離れなさい」
「ん? 何を見せてくれるの?」
最愛は大切なことを忘れるところだった。
ランドセルからガサガサと音を鳴らしながら、くたびれたテストの答案用紙を見せた。
「ちゃんと頑張ったね! 約束通り、近いうちにマフィンを買ってくるから」
「本当!? やった!」
最愛は満面の笑みで両手を空へ掲げて、飛び跳ねた。
「何がいい?」
「プレーンマフィンも食べたい!」
最愛のお気に入りのマフィンなので、また食べることを楽しみにしている。
「わかった。楽しみにしていて」
「わーい! やった!」
テストの答案用紙を返してもらい、礼雅と手を繋いで話しながら歩いていた。
その間、最愛はずっと機嫌が良かった。
「今日、俺の家に来る?」
「行きたい!」
首が取れるくらいに何回も頷いていると、礼雅に苦笑いをされた。
マンションのエレベーターから降りると、母が礼雅の家の前で立っていた。
「ただいま!」
「おかえり」
母は愛娘にふんわりと優しげな笑顔で迎える。
「あの、どうぞ中へ」
「ううん、いいの。これを渡そうと思って、来ただけだから」
母が手にしているガラスの容器の中に入っているものはポテトサラダ。
「さっき作ったんだけど、作り過ぎちゃったから」
「ありがとうございます」
「礼雅お兄ちゃん、今夜一緒に食べよっか?」
最愛の台詞に母がストップをかけた。礼雅も驚いているのに、最愛だけにっこりと笑っている。
「何言ってるの?」
「いいでしょ?」
母に反対されても、最愛は諦めるつもりなんてない。
「駄目よ。ちゃんと家で食べなさい」
「嫌!」
最愛は母から逃げて、すぐに礼雅の背中に隠れた。
「嫌がらないの!」
「嫌なの! 嫌だったら!」
礼雅の腕にしがみついていると、母は剥がしにかかったが、最愛がコアラのようにぶら下がっているので、母は困った顔をした。
「最愛!」
「礼雅お兄ちゃんとがいい!」
母が怒っていても、最愛は諦めずに言い返す。
「いい加減、離れなさい」