この気持ちをあなたに伝えたい

　女性店員はずっと礼雅を見ているので、最愛は咳払いをした。彼女は不愉快そうに最愛を見てから、中へ戻って行った。
　礼雅は女性店員からの視線を昔から気にしていない。それなのに、いつまでも最愛が気にしていては、疲れる上に何の意味も持たないから、礼雅のように気にしないように心がけることにした。

「あのさ、ラブレターとかもらったことがあるか？」
「どうだろうな？」

　面倒だから言いたくないのか、それとも最愛がこんな質問をしたから、はぐらかしたのかもしれない。
　最愛はそれ以上深く入り込もうとはしなかった。

「お前はどうなんだ？」
「私？」
「ああ。中学のときだったか、ラブレターをもらったときがあっただろ？　あのときは処分していたけれど、他の男からも告白されていたことを知っているぜ」

　異性と付き合ったことは一度もないことを礼雅に伝えた。

「本当にタイプの男はいなかったのか？」
「いなかったな。みんな私のことを知ったような顔をして、鬱陶しかったから・・・・・・」
「前にも似たようなことを言っていたな・・・・・・」

　それは礼雅も理解できることだった。礼雅はどんなモデルにも負けないくらいの美貌の持ち主で、それに惹かれて寄ってくる人達は大勢いた。
　追い払っても、どこからともなく現れる。それに終わりはないのではないのかと思ってしまうくらいに。

「私、結婚しなくていい・・・・・・」
「興味ないのか？」
　

　最愛が結婚をしたくないことを知り、礼雅は意外そうに声を出した。
　

「昔はあった。だけど・・・・・・想像できない・・・・・・」
「どうして・・・・・・」