俺は、危険な彼に恋をした。
─────***─────
「………はっ…はっ…最悪。」
息を切らし、汗だくな中、俺は見たくもない夢に唸され目を覚ました。
身体をゆっくりとお越し、深く深呼吸をして、乱れた息を整える。
「またあの夢…か。」
最悪な目覚めの悪さに、気分は最高に悪かった。
「…はあ、」
俯き、深い溜め息を吐くと徐ろに自分の手のヒラを見詰め、グッと力強く拳を作り、俯く顔を上げて布団から出る。
窓に向かって歩き。
閉めきったカ一テンを一気に開き、太陽の陽射しが部屋へと射し込む。
街全体を明るく照らす光に、俺は思わず目を細くしながらも空を見上げる。
「今日も、青いな一。」
雲一つ無い綺麗な青空を眺め終えると俺は鏡の前に立つ。
(パサっ……)
着ていた服を脱ぎ始め、それを床に脱ぎ捨てると高校の制服を着始める。
キュッとネクタイを締め、鏡の前で再度制服チェックをするとリュックを手に部屋を出る。
階段をかけおり、真っ直ぐリビングへと向かうとキッチンへと立つ。
簡単な料理を作り、テ一ブルへと持ってく。
「いただきます。」
俺の声だけが、リビングに響く。
し一んとした沈黙が流れる中、俺はお箸を手に、料理を口にする。
簡単に朝食を済ませ、直ぐに家を出る。
玄関前で、家を出る前に薄暗い家を眺めボソッと俺は小さく呟く。
「いってきます。」
誰も居ない家の中で、俺の声だけが悲しくも響き渡る。
しかし、俺の言葉に返してくれる言葉は家の中には無い。
(ガチャ……)
玄関の扉を開け、静かに扉を閉める。
(バタン………!)
俺は、自転車に乗ると。
思い切りペダルをこぎ、学校へと向かった。