異種キャラクターバトル
†シオン



見下ろしてみれば……

少女はしょせん、少女だった。

ただ、死ににくい体と――生きたいと渇望する本能が、強いだけにすぎなかった。

なぜ、少女がわたくしの閉鎖領域に踏み込んだのかは、わからない。

しかし、経過としてわたくし達は戦い、わたくしは、勝った。

もしも、自爆覚悟であのとき強引に距離を取っていなかったら、わたくしは半身火傷ではすまなかったはずだが。

「常に生き続けることが……絶対の幸せとも限りませんわ」

「っっ、ぃ……かっ……て……決――な、で――」

少女は、人の生命力を吸うらしい。届くか、届かないかの距離で立つわたくしの足を、文字通り必死に掴もうとしていた。

そこまでの生への執着が、どういう意味をなすのか。

命のやり取りをわたくし達サバイヴァーでさえ、いつのまにか失くしてしまったかもしれない妄執が、あるようだった。
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