俺がいるから。



「おーい?はるー?」




いつの間にか裕太の笑顔に見とれてた私の顔の前で

裕太はヒラヒラと手を動かす




「あっ、ごめんごめん」



「はるどした?具合悪い?」




心配そうに顔を覗かれる



「近いわ、ばか!!」



キャハハと裕太を押して私はハッと思い出した



「あ、裕太、誰かと待ち合わせしてるんじゃないの?」




確かさっきそう言っていた気がする。


裕太の足ならそこのT字路にもすぐ着くだろう



「あっ、いっけね....
じゃあな!はる!!!」



くるっと体の向きを変えたかと思うと

裕太はすぐに元来た道を走っていってしまった


...なんか急に寂しくなったなー。

でも私も早く学校行かないと...。



私も日直だったことを思い出し走り出そうとしたとき




「あ、はるー」


引き返してきたのか、

少し先の曲がり角から裕太が顔を出していた



「遙花ばずーかは独り言にはイタイよ!!!」




「なっ!!!」





裕太はヘヘッと笑ったあと

すぐに曲がり角に消えていった





私は一歩踏み出して、

でもまた裕太の法を振り向いて




「聞いてたんじゃんばか裕太ーーー!!
ドアホーーーーーー!!!!!!!」




そう叫んでからまた走り出した。
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