恋愛の神様
鹿島五月
※※※mei kasima※※※
のぇぇ………終わった。
駅員もいないようなローカルな駅のベンチに俺はイギタナク仰け反って、ようよう息を吐いた。
一泊二日の超激務視察。
さすがの俺でも疲辟した。
(つっても俺の場合は昨日、視察先の今野社長と呑み明かした所為でもあるが)
「えっきべん♪えっきべん♪」
隣で弁当を抱えて声を弾ませている部下に思わず呆れる。
横目でチラ見し、直ぐさま反らす。
オマエ、それは反則だろーっ!
現在、にわか部下はジャージ姿にネギの飛び出した非常用袋を背負うという井出立ちだ。
今野のオッサンにいたく気に入られて、自家製の米やら野菜やらを押し付けられたはイイがな…
せっかく貰った物を運べない。手ごろな袋がないな。あ、非常用袋がある。それでいいです。
の、やり取りで、現在に至る。
ぎゃーはははは。
それじゃオマエ戦時中のヒトだろーがよっ!?
叫びてぇっ。
笑いてぇっ!!
あー!!
憲兵さんっ!
闇市で米を仕入れた女がここにいますぜーっ!!