恋愛の神様
「………これ、恋だったんですかぁ?」
「ああ。多分、ね。」
多分ベタベタ甘えるだけの恋より根が深いよ、と草賀さんは付け加えました。
スキ―――だったんですか、ワタクシは鹿島部長が。
確かに、コイツはすげー男だ!!とハジメテ、ワタクシが認めた方ではありました。
一緒にいて、仕事を間近で見てみて、伊達男じゃないと思いました。
スゴイ、って……だけど、ただ認めるのはどうしても癪で…。
否、認める分、自分も認めて欲しいと思った相手で。
鹿島部長に、ワタクシは必要とされたかった―――んです。
女という枠に限らず、ワタクシはワタクシという人間丸ごと鹿島部長に認められたかったんです。
鹿島部長がオクサンの話をした時、ワタクシは少なからず動揺しました。
オクサンという存在にではなく、それを話す鹿島部長に―――。
揺るがない筈の男が、揺らいで甘く切ない雄の貌を見せたから。
ちゃんと認めている人がこの人にはいるんだ、と嫌でも知りましたから。
――――ワタクシはあの時、無自覚にも傷ついたのです。