恋愛の神様




中学、高校、大学―――俺が女と別れる度に、友人から言われる言葉は決まっていた。


『オマエ、女の趣味悪い。』


実際には、この言葉には語弊がある。

付き合いだしには『イイ女』と持て囃すわけだし、決して悪女だとかブスだとかいうことはない。

年下よか年上が多いのは俺がチビで童顔だからウケがイイってだけで、別に俺の趣味ってわけでもねーけど。

ともかく気が強くてプライド高いのが多い。

友人共は俺にはもっとカワイらしい性格の守ってやりたくなるようなタイプが合ってると口を揃える。

幾度とない失敗と親切な指摘を経て

―――俺も最近になってようやく気付いた。

俺は無意識にアイツを重ねてる。

小学校ン時の、多分、………初恋。

美弥とはあれから疎遠になった。

アイツは女子中に進学したし、それから高校、その先の進学も別。

それでも家が近所だから、嫌でもたまに鉢合わせた。

大学ン時見かけたアイツはいかにも仕立てのよさそうなボッチャンを連れてたっけ。

俺は俺でいつまでたってもヤンチャ小僧で、なんか体裁悪くなって、思いっきり無視した。

相手から声を掛けてくることもなく、互いに知らんふり、だ。

しかし世の中は狭いモンで、社会人になって妙なトコロで接点ともいえない接点が出来た。

ウチは阿藤の取引先じゃないが、取引先がバッティングすんだよな。

アイツは大学出てから親父さんの会社を手伝っているらしくて、最近アチコチでよくその名前を聞く。

そしてココでも。







冴えない女子社員は眼鏡のブリッジをくいっと上げた。

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