恋愛の神様

学校が別になって疎遠になって、他の男の子と付き合ってみたけど、悠介を想う気持ちは消えないまま。

そうよね。

向けられる背中に私はとうに怖気づいていて、追う事もぶつかってく事もしなかったもの。

なにもしなかったから、前にも後ろにも進めなかった。







インターフォンに出てきた悠介は、私に驚いて目を見開いた。


「……は?オマエ、なんで?……つか、なんで?」


意味不明。

入るわよっと言い捨てて、ぼさっと立っている悠介を押しのけて部屋に踏み込んだ。

ゲームと週刊マンガって……、一体何歳になるのよ、コイツ。

後は服が適当に放り投げられている。

ゴミ屋敷と言う程じゃないけど、いかにも男所帯ってカンジだわね。


「ふーん。彼女、掃除とか豆じゃないの。」

「ンア?……ンなモンいねーし…」

「アア?今日の昼会ったじゃない。」

「あ?………あ!………あぁー……」


悠介は変な唸り声を上げて眉間を抑えた。


「アイツ、言わなかったのかよ。……アレ、嘘。」

「は?嘘?」

「ああ。見栄?つか、勢い?」


あのチィ子め!
グルになって私をだましたわね!?


まんまと騙され、私こそ項垂れたくなった。


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