恋愛の神様
学校が別になって疎遠になって、他の男の子と付き合ってみたけど、悠介を想う気持ちは消えないまま。
そうよね。
向けられる背中に私はとうに怖気づいていて、追う事もぶつかってく事もしなかったもの。
なにもしなかったから、前にも後ろにも進めなかった。
※
インターフォンに出てきた悠介は、私に驚いて目を見開いた。
「……は?オマエ、なんで?……つか、なんで?」
意味不明。
入るわよっと言い捨てて、ぼさっと立っている悠介を押しのけて部屋に踏み込んだ。
ゲームと週刊マンガって……、一体何歳になるのよ、コイツ。
後は服が適当に放り投げられている。
ゴミ屋敷と言う程じゃないけど、いかにも男所帯ってカンジだわね。
「ふーん。彼女、掃除とか豆じゃないの。」
「ンア?……ンなモンいねーし…」
「アア?今日の昼会ったじゃない。」
「あ?………あ!………あぁー……」
悠介は変な唸り声を上げて眉間を抑えた。
「アイツ、言わなかったのかよ。……アレ、嘘。」
「は?嘘?」
「ああ。見栄?つか、勢い?」
あのチィ子め!
グルになって私をだましたわね!?
まんまと騙され、私こそ項垂れたくなった。