恋愛の神様
ぼんやり見上げる天井にぼへっと無邪気な笑顔が浮かぶ。
『はは。部長とサシで呑むなんてさすが草賀さん。ご立派デス。』
アイツが言いそうなセリフを思い浮かべて、クスッと笑う。
伸ばした腕で、幻を引き寄せるように抱きしめた。
だけど今は虚しく冷たい空気を掠めるだけ……
あの抱き心地の良い身体も温もりもここにはない。
俺はそっと目を閉じた。
「寒いよ、チィちゃん………オマエ今、どこにいんの?」