恋愛の神様

  野山小鳥




※※※kotori noyama※※※



今……何時なんでしょ……。


うとうとと浅い眠りにうっとりまどろみながら、ワタクシは無意識に布団の中の手を彷徨わせました。

掌に温かな感触。

ワタクシは何も考えず身体を擦り寄らせました。

―――草賀、さん。

安堵感に酔いしれながら、胸に顔を埋めます。


……て、………草賀さん……???


何分、眠りが浅かったものですから、曖昧ながら愉しくない現実を考える思考が働きます。

草賀さんとは現在喧嘩していて…否、喧嘩にもならないまま別れていて、ご一緒に寝ている筈もありません。

その原因は……

思いだそうとして、あわてて思考を振り切りました。


いや、です。
思い出したくありません。


現実はどうであろうとも、今は一緒にいてくれるんですもの。
たとえコレが夢でも幸せを堪能したいです。

ああ、恋愛の神様、願いを聞き届けてくれたのですね。

願ってみるもんです。



そうと分れば、野山小鳥、ダイタンにいかせていただきますヨ!





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