恋愛の神様
差し込む朝日にキラキラと輝く銀の糸。
熱によって濡れたサファイヤの様な双眸。
まるで童話のキャラのようです。
現実味はありませんが、かなりリアルです。
「………ひ」
ワタクシは一瞬にして目が覚め、飛び起きました。
「ぎゃあああああああああああ――――――、はく、はははは、はくとさんっ!!」
「……起きぬけに……スゴイ声……」
ハクトさん、呑気に耳を押さえます。
いえ、呑気にしている場合ではないんですよ!!
「ななな、何でここにいらっしゃ、寝て……隣でっ」
「…ぬくぬくしたかったから……?」
「したかったから、じゃあアリマセンよ!!仮にも乙女の布団にっ……一応ピーさんを自称させていただいてますけど、現実にはワタクシだって列記としたニンゲンのメスですが!?」
ワタクシ、起き上った拍子に捲れた羽根布団の先に目をやって、シンクロ金メダリスト並みに目を泳がせました。
あぁぁぁぁぁぁぁ…………
ハクトさんはワタクシの動揺に気付いて「……ああ」と頷きました。
起き上がり、イージーパンツのウェストを指で摘んで見せます。
「いーやっ!結構!!見せなくていいですっ!見たくありませんっ」
「…いやって……ピーが悪戯するからこんなになっちゃったのに……」
ワタクシが先ほど触りまくっていたトコロが、常に無気力なシロウサギさんらしくもなく、やる気満々に立ちあがってます。
どこか突拍子もなく世間ズレした方だと思っておりましたが、そのあたりの反応は正常なのですね。
人ごとながらにちょっと安心しました。
………てぇ!
呑気に安心している場合ではございません!!
夢だと思っていたとはいえ、ワタクシは大変な事をしでかしたんじゃないでしょうか。