恋愛の神様
そんなこんなで自虐的な推測にちょっと落ち込んだワタクシは、唐突に飛び跳ねました。
「ななななにすんですか!ハクトさん……ちょっ…や、ぁんっ!」
ワタクシが物想いに耽っている間に、ハクトさんの手がワタクシのパジャマの中…更に言うなら下着の奥へ入ってきました。
腰の砕けるような甘美な刺激に息が上ずります。
「……だって、腰動いてたから…。……いいじゃない、ピーも興奮してるみたいだし…僕はコッチ、ピーはコッチ。…お互い面倒見れば、…ね。」
ね………、じゃ、ありませんっ!!
内心の絶叫とは裏腹に、口からは上がった息しか出てきません。
意識して押さえなければ、声、出ちゃいます。
あーもーこうなりゃ自棄です。
とっとと終わらせましょう。
腹を括ったワタクシは気合を入れて手を動かしました。
「あ……やる気。……じゃあ、どっちが早いか競争。」
聞き様によっては妙に清々しいスポコンの様なセリフです。
しかしそれじゃ、早くイッた方が勝ちなのか、イかせた方が勝ちなのか、そもそも負けなのか、よくわかりませんヨ。
互いに夢中になって手を動かしながら、戯れのように唇を重ね合います。
上がった息使いと、舌を嬲る水音、そして手の中の欲望―――
シャボン玉が弾けるみたいに、絶頂は不意に訪れました。
「っ、あぁ――――」
大きく痙攣した拍子に手をぎゅっと握りしめてしまいました。
ハクトさんが小さく息を詰め、ワタクシの腕に熱いモノがトロリと滴り落ちました。
子ウサギのように身を震わせた後、ハクトさんは「はー……スッキリした…」と呟きました。
その妙に清々しい人とは対称に、ワタクシは熱が引くのと同時に襲ってきた罪悪感に沈みそうになりました。