恋愛の神様
「さて……シャワー浴びよと。……ピー一緒に入る?キレイにしてあげるよ?」
「ケッコウデス。」
照れや羞恥心同様、この方には罪悪感もないようです。
何だか腹が立ってきます。
「……もう鳥じゃないんだから、そんなにお風呂嫌がらなくてもいいのに…」
風呂がキライなのではなくご一緒するのが嫌なんです!!
ワタクシの断固拒否のオーラに、ハクトさんは首を傾げつつ「じゃ、先…借りるねぇ」と言って、ほてほてバスルームへ去りました。
逃げましょう。
エロの余韻が残る部屋でワタクシは唐突に決心しました。
幾ら失恋したからと言って、ウサギに拾われるなんて非現実過ぎました。
しかも、欲求不満気味だったとはいえ、愛のない享楽に走ってしまいました。
人間失格の太宰治だって呆れる意志薄弱っぷりです。
このままではのっぴきならないダメニンゲンになってしまいます。
いっそ鳥以下です。
タツキさんにご迷惑が掛るかもしれない、とか、仕事が滞るかもしれない、とか、気掛かりな事がないわけではありませんが、自分が鳥以下になるかならざるかという瀬戸際で悠長に戸惑っている場合ではありません。