恋愛の神様
「お願いです……止めて下さい」
懇願と同時に、目の縁に盛り上がっていた涙が落ちました。
しかし、草賀さんは無慈悲でした。
「ぃ……やぁぁ――――」
目の眩む衝撃。
痺れが脳天を突きぬけると、その息苦しさの中に直ぐ快楽を見付けました。
浅はかにも身体は快楽に飛びつき、さらなる快楽を強請って蠢きます。
「んっ……や…あぁっ…」
この快楽をワタクシはどれほど希ったことでしょう。
草賀さんに攻め立てられてみて、ハクトさんとの行為がいかに肉欲だけのものかはっきりします。
触れられてこんな風に芯から囚われてしまうのは、草賀さんだけ。
アナタだけ。
ワタクシはアナタが好きなんです。
「ふぁ…!も、むりれすぅ…!」
「うるせぇ……全然足んねぇんだよ…」
乱暴に求められて、まるでワタクシに飢えているように思ってしまうのはワタクシの浅はかな誤解だと分かっていても、嬉しいのです。
たとえ心はあの女性に囚われているのだとしても、身体はせめて気に入られているのだと、今くらいオメデタク思い込んでもいいですか?
「やぁん……」
「オマエだってすっげーカンジてんだろ?ナカ、メチャクチャ締まってンぜ。」
勿論ですとも。
現金と言われようと、浅はかと罵られようと、ワタクシは草賀さんをもっとカンジていたいのですから。