恋愛の神様
「アンタが生きてる限り私がトップスターの座から降ろさせやしないわ。ずっとよ。一生、諦めないんだから。」
頭の悪い僕はちょっと考えた。
「……それはずっと一緒にいてくれるって事かなぁ…?」
「アンタが逃げ出しても捕まえに行くって事よ!」
タツキ特有のニュアンスはやっぱりちょっと分かりにくいけど、多分、一緒にいてくれるってのは合ってるよね。
「……そか、じゃ、ヨカッタ。」
「アンタこそ本当にイイの?二度と野良になんて戻してやらないわよ?」
怒ったように引き結んだ口に僕は戯れのように唇を重ねた。
「いいよ。僕はタツキに飼われるのイヤじゃないから。」
ピーを飼っていた僕がタツキに飼われるなんてあべこべなカンジだけど、これはコレで悪くないや。
だってタツキは僕を大切にしてくれるでしょ?
ずっと手放す気はないと言ってくれるなら、僕はずっとタツキと一緒にいられるもんね。
「タツキが一緒にいてくれるならもうピーもいなくていいよ。僕はタツキがいればいいや。」
そう言ったらタツキはちょっと泣きそうになって僕にぎゅっと顔を押し付けた。
「ずっと一緒にいるわよ。アンタが逃げたって探し出して捕まえてやるんだから。」
怒るみたいなセリフに、僕は「うん」と頷いてタツキをぎゅっと抱きしめた。