恋愛の神様
本当のトコロ、あの娘とは何かあったの?
私の事、お荷物だと思ってるんでしょ?
ねぇ、私、アナタの義弟と寝ちゃったわ。
仕事は順調?
どこまで昇り詰める気なの?
そのどれも口にはしなかった。
会話は大学時代から変わらない。
内容が学科から仕事に変わっただけ。
アノ仕事についてあのやり方はないんじゃない?効率を考えれば、云々。利益が、云々。
言葉を武器に真剣勝負……
ふふ。やっぱり、彼と話してるのは愉しい。
コースが終わる頃にはお腹と共に頭も満足を覚えた。
私はコーヒーを飲みながら、幸せも噛み締めた。
彼と一緒にいられた幸せを―――
「虎徹クン」
なんだ?と訪ねてくる双眸を私は微笑で見詰めた。
淀みも迷いもない澄んだ瞳。
整った顔立ちも、精巧に作られたポーカーフェイスも見惚れてしまう程好き。
未だに大好きだわ。
「別れましょう。」