恋愛の神様
何故?
ここに現れる筈のない人物にワタクシは唖然と立ち尽くします。
草賀さんはそんなワタクシを軽く横へ押しのけて中へ踏み込んでいきます。
ワタクシも慌てて追っかけてリビングへ戻ります。
「ふーん。…来ないかと思った。」
リビングではハクトさんがソファーにだらけて余裕綽々に迎え討ちです。
その後ろではタツキさんが戦闘態勢万全で仁王立ちです。
草賀さんがちっと舌打ちします。
「俺にだって色々やる事があんだよ。つか、俺だってここに用があるわけじゃねぇや。」
「ど、どういう事ですか、ハクトさん。草賀さんに用事というのは…」
「ピーおいで。」
状況についていけずオロオロとしていたワタクシはハクトさんの手招きにとりあえず近づきました。
すると当たり前のように膝に座らされて、その途端、草賀さんの眉間の皺が思いっきり深くなりました。
……怖いデス。
「で……、何しにきたの?」
「オマエに用があるわけじゃねぇっつってんだろ。野山っ。」
「は、はいっ!?」
ぱんっと草賀さんがテーブルに何かを叩きつけました。
「ココにサインしろ。」