恋愛の神様
extra【オマケ】
※※※【一年後】※※※
※※※※【 side 零於 】※※※※
俺が誰もいなくなったオフィスで一人残業をしていると聞き慣れた声が肩を叩いた。
「お疲れさん。」
「虎徹……」
見上げれば兄貴が缶コーヒーを差し出してきた。
有り難く頂戴しておく。
缶コーヒーを呑みながら一休み。
虎徹も隣のデスクに浅く腰をかけ、自分の缶コーヒーを開けた。
数年前には考えられないくらい修復された兄弟の関係。
切欠を与えてくれたのは、間違いなく幸せの青い鳥―――。
最近、本気でアイツは青い鳥だったんじゃないかって思う。
まだぎこちなさが残るとはいえ、義父との関係もかなり良好だしな……。
「ところで、オマエがこんな時間まで残業なんてメズラシイじゃないか。最近、毎日なんだろ?」
「あー………まあ……」
上層部に上がってきたとはいえ、虎徹ほどガツガツ最上位を目指しているわけでもなく、卒なく一定量の仕事をこなすだけして切り上げる。
尤もさすが上層部ってだけあって一定量の仕事ってのもハンパねぇけど。
それでも残業は最短で切り上げるように努めてきた。
それがここ最近立て続けなんだから、おかしいと思われて当然だ。
「なんだ?嫁さんと喧嘩でもしたのか?」
「そんなんじゃねーけど………」