恋愛の神様
まぁ、いつかは欲しい、とは思ってたけど――――
「………いらねぇ………」
「は?」
俺の呟きを聞き損ねて怪訝な顔で問い返す虎徹に、俺は癇癪を爆発させた。
「もー子供なんざ、どーでもいい!!出来なきゃ出来なくったって、二人でそれなりに幸せならそれでイイだろーがよ!?」
「ま、まぁ。そりゃそれでイイとは思うが……いきなりどうした成り行きでそう思いだしてんだ、オマエは。」
「だってアイツ『あんまりし過ぎると出来ないんですってよ?』とかなんとかいって最近触らしてくんねーんだよっ。コレ、どー思う!?ヒドクね!?毎度エロイ事するわけじゃねーのに部屋まで別にされた!!どーよこれ!?」
「……オマエが最近残業してる理由はソレか……」
虎徹が呆れたように溜息を吐いた。
そーだよ。
悪ぃかよ。
目にはいりゃどうしても触りたくなる。
だけど、その度に拒否られて、コッチもやや意地。
虎徹が感心した風に呟く。
「お前等、新婚気分もボチボチ抜ける頃だってのに未だに仲イイな。俺等ントコロは直ぐに子供出来たこともあって、夫婦でイチャイチャした記憶がほとんどない。」
そこまで来て、ははん?と目を眇めた。
「オマエ、途轍もなくシツコクしたんじゃないか?例えば、部屋ン中移動するにも後追って、挙句次の日も鑑みず残業の深夜帰宅で、無理矢理起こすような……」
ギクッ
「だ…だって、しゃーねーじゃん?なんつーかもうクセっつーか、中毒っつーか。触ってねーと落ちつかないってか…。」
「オマエは一歳児か。ウチの長男も一時はトイレにまで追っかけて行ったが、既にその時期を卒業したぞ。」
ぐぅ…!
…さすがに俺もトイレにまでは付いていかねーけど…。