恋愛の神様




時間がかかりそうなので、俺は一階で親父の晩酌の相手をすることにした。


「……いい娘さんみたいじゃないか。」

「……それはどの辺りが?」

「……貴重という意味ではとても……」

「……確かにそれはアリだな。」


いつも以上に会話は盛り上がらなかったが、いつも程居心地の悪さは感じなかった。

寧ろ、ハジメテ本音で共感しているという実感があった。

…いや、こんな共感なら無くても良かったんじゃないか、とも思うが……。


野山を酒の肴に仕事の話もポツポツしていると二階からお呼びがかかった。

いつもならこんな時はほっとして早々動くものなのに、今日に限ってはかなり動きが鈍った。

行きたくねー……。

もし、ちょっとマシになった(だけ、の)座敷童子がいたら、どう対応すりゃいいんだ。


そんな事を考えつつ部屋まで来て、俺は予想外に感嘆させられた。


「へ、え」


黒地に小さな赤いチェリーがプリントされている総レースのチュニック。

胸下の切り替えで、裾はスカートのように広がっている。

そこにチラ見えする長さのショーパン。

ラメ入りニーハイソックスと細かな編み上げのロングブーツ。


…て、家の中にブーツを持ちこむなよ。

巳紅が得意げに顎を聳やかす。


「胸がまるでナイわけじゃないけどクビレもない、このナイナイ幼児体型を隠すために、狙いはふんわりラブリー系。とは言え、歳も歳だしぃ?少しお色気出すためにあえて小悪魔系の柄を採用。このどうあっても伸びない足を少しでも長く見せるために下はこの組み合わせよ。」


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