恋愛の神様
きっと、トンデモナイことになっていますもの、堂々と淫乱宣言をするようで気がひけます。
でも、触れて欲しい。
燻ぶるような熱を思うがままに散らして欲しい、です。
意地悪な愛撫は、まるで寄せては返す波のように緩急混じえてワタクシを翻弄いたします。
理性が飛ぶほどの強引さはなく、だからこそ余計にされていることの逐一がはっきり分かって、意識のやり場に困ってしまいます。
分からないうちに、とか、流れのままに、などという言い訳の余地がありません。
キスされて促されるままに舌を預け、拙いながらも応えます。
自分の意志で。
そう………これはワタクシの意志なのです。
勝手にされているわけではなく、ワタクシが希っているものです。
触れて欲しいのも偽らざるワタクシの本音なのです。
決心し、どう伝えようか考えた挙句、そろそろと手を伸ばしてみました。
押しつぶされている身の上なので動きづらいことこの上ありません。
恐る恐る伸ばした指先に触れたモノ。
噛みつかれたわけでもないのに驚いて躊躇します。
でも、野山小鳥。
やる時はヤル女です!
というか並々ならぬ興味があったのもウソではありませんけれど……。
「…チィちゃん」
下肢の急所を囚われた草賀さんは困ったような驚いたような声で呟きます。
少し掠れて、普段の二割増しでセクシーです。
いっそ迷惑千番です。
これ以上、生殺しのままワタクシを煽らないで下さい。