恋愛の神様





俺がアイツを見下してる?






まぁ、確かにプレゼンの時のウチの課の野郎の対応は酷かった。

なまじ野山が一見気弱そうだから、イジメ心を刺激すんだ。

だからこそ、野山がいとも容易く思い上がった野郎共の鼻をへし折った時には、俺もそっち側の立場だというのに気分がスカッとした。


俺は少なくとも誰よりも野山を買ってるぞ。


残業を終え、自分のマンションが見えるトコロで徐に足を止めた。
腕を組んで部屋を見上げ、唸る。


むー。

…………寧ろ買い過ぎてるだろ。


実は、あれから野山とは関係が続いている。

大抵は週末に。
だけど時々、平日にまで呼びつけている。

つい最近まで男とまともに付き合ったこともないくせに肉体関係肯定派と豪語するだけあって、快楽には積極的だ。

自分の思いのままに躾ける事が出来る雛鳥―――男の側からしたら、これ以上なく魅惑的な玩具だ。

俺が別の女を切ったわけじゃないと知っているからか、そもそもタラシだと諦観していたからか、恋人だと思い込んでいる様子もなく、関係を強要されたこともない。

ワタクシセフレでございます。いえいえ、多くは望みませんとも!とでも言いたげな態度。

てさ、一応俺ってオマエが二年も探してた運命の男だったわけだろ?
割り切り良過ぎねぇ?

まぁ、その辺りシツコクされたらきっと面倒になって切るからさ、俺としてもヨカッタわけだけど……。

野山小鳥。
実際、重要なのは快楽を得る事で、与える相手なんて誰でもいい、とか思ってねーか?

思ってねーか、っつーかあからさまにそれっぽいし。

いや、揉め事嫌だから俺としてもそれでいいけど……。

なんつーか、アイツ、時々容赦なく男のプライド刺すよな。

一応、俺と寝たいって女は多いんだぞ?

それを俺の存在無視で、気持ちよくイかせてくれればいいのよっ、とか、小鳥の分際で生意気だっつーの!

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