雨音、ときどき虹色。
出会い
「…いってきます」
誰もいない家にそう告げた。
「…っ、まぶし…」
扉を開けた瞬間私を上から照らす太陽。
春休みが終わって、今日から学校が始まる。
私は進級して、高校2年生になった。
―私、君島 紗央莉
どこにでもいる普通の高校生。
クラスで目立つこともないし、ある程度の人間関係も築いているつもり。
人との付き合いはうまいほうだと思う。