雨音、ときどき虹色。
――放課後
「成瀬くん!」
「…なに?」
おそらく下の階の3組の教室にいこうとしてた成瀬くんを呼び止めた。
1度も話したこともなかったし、一応あいさつはしといたほうがいいと思って。
「改めまして、君島紗央莉です。
これから委員会等お世話になると思うけど、よろしくね」
「…ああ。
成瀬留です。よろしく。」
「うん」
「…」
「…」
この沈黙
…やだな。
女子とだったら話はつなげられるんだけど
男子とはうまく話せないし…
「あのさ」
「え?あ、なに?」
「あんたって、八方美人って言われない?」
「…………は?」