迷う気はあるか
【おはよう】
目覚めると
そこには変わらない鬼聖がいた
「………」
【どうしたんだ?】
「鬼聖………大丈夫?」
【……………】
「ごめん……なんでもない」
【昨日の夜…起きてたであろう?】
「え?」
【………恥じた行為を見せた…
すまん
まつられる者がこんな者では
つまらんな…………】
「泣かないで…?」
【……別に泣いてないぞ】
「鬼聖の心が…泣いてるの…」
【……】
「私が側にいるから」
【………無理だ
扉が開けば出て行くであろう?】
「私…行かないわ
鬼聖の側にいる」
【ハ………本当か?
我に喰われるかもしれんのだぞ】
「………大丈夫…鬼聖を信じてるから」
鬼聖がお面をそっと外した
そこには涙で溢れた
アイスブルーの瞳を持った
美しく、整った顔立ちの
鬼聖がいた
【…………我は化け者だ】
「それでも好きよ…
好きよ…鬼聖………」
【……………】
私たちは黙ったまま
唇を重ねた
【…………バーカ】
「なによぅ」
【こんな道選ぶなんて
よほどのバカだ
……ありがとう…】
「いいのよ………」