迷う気はあるか




「鬼聖って何者!?」




『化けぎつね、だが?』



「じゃあなんで


祓えるの?


妖怪《?》を…」




『これは…母上の形見の扇子だ



物心ついた時…


そばにあったのだ』





「そう…なんだ」




『でも、やばい』




「どうして…?」




『あんな弱い餓鬼どもが

この聖なる場所に入れたということは



我が造った結界がゆるんでおるのだ




ということは我自身が



弱っておる………』



「え?」




『いずれは


自分が保てんくなるかもしれん



ということは…


美奈子を喰う可能性が…ある』




「いい…のよ



私は鬼聖のものだから」



『美奈子……』




「鬼聖、大丈夫



安心して」




私は逃げないから





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