迷う気はあるか
「鬼聖!!?」
『に…ゲロ…
美奈子…』
鬼聖の表情が苦痛に満ちて来る
だんだんと右目が
金と赤が混じった色になる
すると
扉がバンッと開いた
あんなに開かなかった扉、が
『我は………
この扉を開けることぐらい
容易くできたのだ…』
「え?」
『最初は喰うつもりだった…
だが…だんだんと
離れて欲しくなくなってきた…
もともと、開けられるのだ
我の力で……』
「鬼聖…」
『逃げるんだ……
我の最後の力で開けた』
「嫌よ…!!!
私、鬼聖といるわ!!」
『バカか…!!』
突然の鬼聖の大声で
ビクッとした