迷う気はあるか
「あ…」
【なんだ…何度もうるさい】
「ごめんなさい
でも、私…食べる物がなくて…」
【安心しろ】
「え…」
【我だって妖力は多少ある】
「妖力…?」
【魔法…みたいなものだな
だが、本物を出すには足りん】
「足りない…?
じゃあ、どうすれば」
【生気を吸わせろ
美奈子のだ
植物などでは足りんのだ】
「でもどうやって生気をあげればいいの」
【おまえの体にさわるだけでいい】
「さ…さわっ…!!?」
【なんだ?どうした?】
下心がないのが恐ろしい
「う…うん………」
私は目をギュッとつむった
鬼聖が私の体に触れるのがわかる
ヒヤッ………
鬼聖の手は冷たい
「っ………」
ゆっくりなでるように
頬から首へ肩へ
手が触れて行く
最後に鬼聖は私をギュッと抱き締めた
さすがにこれはビックリし
「ちょ…ちょっと!」
だが、振りほどけない
【じっとしていろ】
「も……やめっ…」
鬼聖の言葉が私を呪縛する
固まっていると
パッと鬼聖が手を離した
【おぬしの寿命が1年
ちぢまった…】
私は驚きたかったが
体が痺れて動けなかった
【なんだ…、感じておるのか…?】
鬼聖が私の頬に触れる
ピクッと体が反応する
【大丈夫だ
今は生気は吸わん】
「ん…あ…」
いやらしい声が漏れる
鬼聖はクスッと微笑し
すぐに手を離した
鬼聖に触られると体が甘く痺れる
逆らえなくなる