Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
こいつらに対して、誤魔化したって無駄だ。
怜士は両手を組み合わせてデスクに肘をついた。
にやりと笑う。
「昔、手に入れ損なったものを、手に入れるために」
ボスがビジネスでこういう笑いをするのは珍しいのに、秘書たちはしばし固まった。
「え?女?」
ニコラスがポケッと呟くと、ケビンが拳骨を落とした。
「さ、忙しくなるぞ」
そう言ってフレッドはニコラスを引きずって、3人は部屋から出て行った。
怜士は口の端で笑いを作って、椅子をガラス窓へと回転させる。
そう。
忙しくなる。
これから。