Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
5.苦いひとくち
*
「お久しぶりね」
聞き覚えのある嫌な声に、怜士はカフスをはめながら、窓ガラスに映っている姿の方へ視線をやった。
アイーシャの後ろで、困っているニコラスの姿が映っている。
「まだ生きてたか」
「ご挨拶ね」
「なんの用だ」
アイーシャの姿で十分予測はできたが、一応聞く。
「同じパーティでしょ?
エスコートして」
「相変わらずだな」
高飛車に言われて、思わず鼻先で笑った。