Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
不自然だろう。
思わず胸の中で突っ込む。
なんで簡単な挨拶が交わせないんだ。
イラっとして、向けられた背をにらむ。
麗華をエスコートしていた兄の方が怜士の視線に気が付いて、静かに見つめ返した。
怜士は自分の子供っぽい行動を反省し、兄の宏樹に軽く頭を下げた。
少しとまどった顔。
以前、会ったことのある今泉怜士と、ここにいるダバリード次期総帥と結び付けていいものかと迷っているのが伺え
る。
まだはっきりと肯定するのは早い気がして、怜士はさりげなく視線を外した。
「あ~らら~」
過去にも聞いたことのある、愉快そうなアイーシャの声に、こめかみが微動する。
「おまえ、騙しただろう」
アイーシャはちらりと怜士を見上げた。