Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「そうですか。
どうぞよろしくお伝えください。
私ですが、今はダバリード姓を名乗っております。
何かありましたら、お電話ください。
失礼いたします」
一礼をして車に乗り込む。
なるほど、少し押しすぎかもしれない。
車に乗ってから、麗華の言葉を思い起こした。
あまりにも余裕が無い行動ではある。
怜士は口元に皮肉の笑いを浮かべた。
少し間を開けよう。
こっちは辛いけど。
さっきの焼き肉店で、店員が麗華を食い入るように見つめていたことを思い出す。
怜士が視線で追い払わなければ、絶対、声をかけていたはずだ。
“昔、雑誌でモデルをしていらっしゃいましたよね”とか言って。
本人は全く気付いていなかったけど。
怜士はため息をついた。