Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
8.取り上げられたひとくち
*
真夜中に帰宅すると、自宅のリビングのドアを開けて、固まった。
久しく用心を怠っていた。
リビングのソファーとアームチェアには、それぞれ同じ顔の男が座っていた。
「ハッロー」
たぶん、ハンガリー系だと思われる男は陽気に挨拶をした。
静かにドアを閉めると、怜士はもう一つの空いているアームチェアに腰を下ろした。
「自己紹介をしよう」
ハンガリー男は陽気に続ける。
「僕はゴットフリートだ。
こっちはクリストファー」
寡黙な印象の男を指差した。
「初めまして」
怜士は視線を動かしただけで返答はしなかった。