Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


  *


二人の真夜中の侵入者は予感がしていたのか。


違う。


こっちが掴みきれていなかった情報を、既に得ていたのだ。


だから現れ、交渉してきたのだ。


事が起こる前に。


あの男が急死した。


誰だって病気になる。


あの男だって例外ではない。


金をかければ治るだろうし、寿命も延びただろう。


それだけの金も力もある。


でもそれをしようとせず、あの男の信じる神に任せた。


この世界の多くの者が、長寿と若返りにやっきになっているのに、あの男はいつだってそれに冷笑していた。
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