Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
9.挑むひとくち

    *


麗華はかねてから計画していた通り、美和と鷹乃介を巻き込むことにした。


怜士がアメリカに帰ってしまったことは、美和をかなり心配させたようだ。


たぶん、前回のことがあったから。


だからあらかじめ自分の計画の話をしておいた。


何秒かの沈黙後、“ま、麗華の頼みだし。その時になったら言って”と、微笑して軽くOKしてくれた。


でも、すでに社会人として重要なポストについている美和は、麗華の事業計画はかなり不安だっただろうと思う。


そこを飲み込んで、援護射撃してくれるのが、この幼馴染のいいところだ。


美和の仕事に乗っかる形で、麗華は鷹乃介と腕を組んでパーティー会場に乗り込む。


ターゲットはわざわざ探さなくたって、視線が引っ張られる。


「やっぱ、いい男だなあ」


鷹乃介が感心したように見つめている。
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