Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
9.挑むひとくち
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麗華はかねてから計画していた通り、美和と鷹乃介を巻き込むことにした。
怜士がアメリカに帰ってしまったことは、美和をかなり心配させたようだ。
たぶん、前回のことがあったから。
だからあらかじめ自分の計画の話をしておいた。
何秒かの沈黙後、“ま、麗華の頼みだし。その時になったら言って”と、微笑して軽くOKしてくれた。
でも、すでに社会人として重要なポストについている美和は、麗華の事業計画はかなり不安だっただろうと思う。
そこを飲み込んで、援護射撃してくれるのが、この幼馴染のいいところだ。
美和の仕事に乗っかる形で、麗華は鷹乃介と腕を組んでパーティー会場に乗り込む。
ターゲットはわざわざ探さなくたって、視線が引っ張られる。
「やっぱ、いい男だなあ」
鷹乃介が感心したように見つめている。