Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「困ってるんだろ?」
「お見通しですか?」
息を吐くように笑っている。
「いい話をやるよ」
「え~、一枝さんは麗華にしか、いい話を持っていかないじゃないですか」
「その通り。
だが、今回は持ちつ持たれつだ」
「ホントですかー」
疑いに満ちた声になってしまう。
そんな美和に笑いながら、一枝はあるパーティーの名前を上げた。
毎年NYの美術館が、所蔵のコスチュームを維持するために開く、募金集めのパーティ。
有名なファッション雑誌が主催している。
「その招待状を手に入れてやる」
それに出られるとしたら、美和の手がけている繊維事業にとって大きなチャンスだ。
業績が伸びれば、雛との結婚を親に認めさせられる。