奏 -かなで-
……
「だよね~。
岡本くん、今日もいい感じにかっこよ
かった~。」
「うんうん。
ほら、体育の時間さぁ…」
駅前で、雨宿りなんていいながら、
3人でカフェにはいった。
適当なコト言ってる2人の話をききながら、ホットミルクを飲む。
「…でもさ、最近吉田もいいと
思うんだけどなあ、あたし。」
「え~?
うーん、ゆずはどう思う?」
流行に敏感な彩と、メイクが上手で女の子らしいしずく。
2人につりあわない私が、なんで一緒にいられるのか不思議に思うコトもある。
「ねえ、ゆずってば。」
「…ダメだよ。
ゆずに男の子のかっこいい、かっこ悪
いなんてわかんないって~。」
「ちょっと。
それくらい私にだって。」
私にだって…。
かっこいいと…思う人が。
「ゆずはさ、意識したらわりと素敵な子
だと思うけどな。」
「おこちゃまゆずには難しすぎるね。
…まあ、私たちそこが好きなんだけど
。」
「余計なお世話だ!」
ふと、2人の飲むカフェオレがオトナに見えて目をそらす。
かっこいい…か…。
よく、分かんないや。