君と奏でるノクターン
「どうだった、音合わせ」
カウンターからマスターの柔らかい声。
「周桜宗月、彼も父親なんだって思った」
「そうか……大丈夫なのか、詩月は」
ミヒャエルは詩月の顔を見ながら、マスターに首を振る。
「朝から調子が悪いらしいんだ。熱が高い」
「弾けるのか?」
「音合わせは1発OKだった……」
マスターが無言で差し出したオシボリ。
ミヒャエルは受け取り、詩月に手渡す。
詩月は額に滲む汗を拭く。
「……何を弾けば」
「おい、成るように成れだ。弾きたい曲を弾け。即興は得意なんだろう」
カウンターのマスターが首を傾げる。
「周桜宗月にアンコールを任されたんだ」
「それは……大役だな」
「倒れては元も子もない。時間まで休め」
ミヒャエルは、自分が無茶を言っていることは、重々承知している。
――こんな状態でも、あれほどの演奏をする
カウンターからマスターの柔らかい声。
「周桜宗月、彼も父親なんだって思った」
「そうか……大丈夫なのか、詩月は」
ミヒャエルは詩月の顔を見ながら、マスターに首を振る。
「朝から調子が悪いらしいんだ。熱が高い」
「弾けるのか?」
「音合わせは1発OKだった……」
マスターが無言で差し出したオシボリ。
ミヒャエルは受け取り、詩月に手渡す。
詩月は額に滲む汗を拭く。
「……何を弾けば」
「おい、成るように成れだ。弾きたい曲を弾け。即興は得意なんだろう」
カウンターのマスターが首を傾げる。
「周桜宗月にアンコールを任されたんだ」
「それは……大役だな」
「倒れては元も子もない。時間まで休め」
ミヒャエルは、自分が無茶を言っていることは、重々承知している。
――こんな状態でも、あれほどの演奏をする