君と奏でるノクターン
6章/Some say love it is flower.
1話/Christmas Eve in 横浜
カフェ·モルダウの入り口に下げた風鈴が、けたたましく鳴り響く。
「郁、ビッグニュースだ。周桜がピアニストデビューしたぞ」
安坂貢がいつになく声を張り上げ、忙しなく席に着く。
「えっ!?」
「周桜宗月のコンサートで、アンコールに『ROSE』を弾いて、歓声を全て持っていきやがった」
「……ウソ――」
郁子は言葉が続かない。
「コンサートのヴァイオリン共演者が、急病で周桜が代役を勤めたらしい」
「へぇ~、やるじゃん」
煙草を噴かしていた岩舘理久が、ニマリ口角を上げる。
「共演曲は『懐かしい土地の思い出』と『ラ·カンパネッラ』割れるような歓声が会場の外まで響き渡ったらしい」
「2曲とも、詩月の十八番じゃん。周桜宗月も粋な計らいをしたな」
貢は興奮気味に、音楽雑誌を広げる。
「郁、ビッグニュースだ。周桜がピアニストデビューしたぞ」
安坂貢がいつになく声を張り上げ、忙しなく席に着く。
「えっ!?」
「周桜宗月のコンサートで、アンコールに『ROSE』を弾いて、歓声を全て持っていきやがった」
「……ウソ――」
郁子は言葉が続かない。
「コンサートのヴァイオリン共演者が、急病で周桜が代役を勤めたらしい」
「へぇ~、やるじゃん」
煙草を噴かしていた岩舘理久が、ニマリ口角を上げる。
「共演曲は『懐かしい土地の思い出』と『ラ·カンパネッラ』割れるような歓声が会場の外まで響き渡ったらしい」
「2曲とも、詩月の十八番じゃん。周桜宗月も粋な計らいをしたな」
貢は興奮気味に、音楽雑誌を広げる。