君と奏でるノクターン
2話/Christmas Eve in ウィーン
クリスマス仕様で賑わう街並み。
至る所で奏でられる音楽。
楽団の第九コンサートを終えて、通りへ出た詩月は、コートの襟を立てる。
ミヒャエルがバイトする居酒屋へ急ぐ。
冷たい風が、容赦なく吹きつける。
「夜通し酒場で」と言い出したのは、ミヒャエルと酒場のマスターだ。
1週間前。
詩月が郁子にピアノの進捗状況とクリスマスイブ当日のスケジュール確認をメールで尋ねた後だった。
「詩月、イブの予定は?」
「8時まで楽団の第九コンサート。その後……」
詩月は郁子とネット電話越しに、ピアノとヴァイオリンの二重奏をする約束をしていることを話す。
時差が8時間あり、こちらから何時に電話するか迷っていることを告げた詩月。
「毎年イブは夜通し、ビアンカの弾き語りや客の演奏とか歌で、賑やかに飲み明かすんだ」
マスターが言うと、カウンター席で飲んでいた客が、グラスをコトリ置き、詩月を見た。
至る所で奏でられる音楽。
楽団の第九コンサートを終えて、通りへ出た詩月は、コートの襟を立てる。
ミヒャエルがバイトする居酒屋へ急ぐ。
冷たい風が、容赦なく吹きつける。
「夜通し酒場で」と言い出したのは、ミヒャエルと酒場のマスターだ。
1週間前。
詩月が郁子にピアノの進捗状況とクリスマスイブ当日のスケジュール確認をメールで尋ねた後だった。
「詩月、イブの予定は?」
「8時まで楽団の第九コンサート。その後……」
詩月は郁子とネット電話越しに、ピアノとヴァイオリンの二重奏をする約束をしていることを話す。
時差が8時間あり、こちらから何時に電話するか迷っていることを告げた詩月。
「毎年イブは夜通し、ビアンカの弾き語りや客の演奏とか歌で、賑やかに飲み明かすんだ」
マスターが言うと、カウンター席で飲んでいた客が、グラスをコトリ置き、詩月を見た。