君と奏でるノクターン
安坂貢はからかうように言う。
「意地悪」
郁子はむくれて、珈琲を啜る。
「そうだ! あの『ヴァイオリンロマンス』の曲、CD化するんだ」
「凄い!!」
「周桜がおこした楽譜だからな、あいつのソロ演奏も入れてね」
「周桜くんは知ってるの?」
「学長が連絡入れて、ソロ演奏の音源をこちらに送ってるはずだけど……あいつに訊ねてみたら?」
貢は微かに口角を上げ、穏やかに言う。
私立聖諒学園に伝わるヴァイオリンロマンス。
正門のヴァイオリンを弾く女神像と、裏門の竪琴を弾く男神像――。
幾つかの条件を全てクリアし、得られる旋律は、音楽の祝福と恋を叶えると言われている。
留学の数ヶ月前。
詩月は条件を全てクリアし、ヴァイオリンロマンスの旋律を聴き、それを楽譜におこした。
「意地悪」
郁子はむくれて、珈琲を啜る。
「そうだ! あの『ヴァイオリンロマンス』の曲、CD化するんだ」
「凄い!!」
「周桜がおこした楽譜だからな、あいつのソロ演奏も入れてね」
「周桜くんは知ってるの?」
「学長が連絡入れて、ソロ演奏の音源をこちらに送ってるはずだけど……あいつに訊ねてみたら?」
貢は微かに口角を上げ、穏やかに言う。
私立聖諒学園に伝わるヴァイオリンロマンス。
正門のヴァイオリンを弾く女神像と、裏門の竪琴を弾く男神像――。
幾つかの条件を全てクリアし、得られる旋律は、音楽の祝福と恋を叶えると言われている。
留学の数ヶ月前。
詩月は条件を全てクリアし、ヴァイオリンロマンスの旋律を聴き、それを楽譜におこした。