君と奏でるノクターン
2話/君のピアノが聴きたい(横浜×ウィーン)
カフェ·モルダウ。
扉に吊るされた風鈴が、涼やかに鳴る。
「湿っぽい曲弾いてるな~」
理久がジーパンにスタジャン姿で入ってくるなり、ヴァイオリンを弾く貢の肩越し、ポツリ言う。
さりげなく席に着くなり、珈琲を注文し、スマホを取り出す。
「面白い動画、見つけたんだ。ウィーン、ケルントナー通りのヴァイオリン王子」
スマホを操作しながら、弾む声でつらつら語る。
「ほら、観てみ」
ニヤニヤしながら、スマホを差し出し、画面を向ける。
音量を目一杯上げた画面、郁子は耳を澄ませる。
「ウィーン、ケルントナー通りのヴァイオリン王子」という興味深い言葉に、貢もヴァイオリン演奏を中断し、画面を見入る。
「これって……周桜くん!?」
「そう、詩月。けっこう評判になってるらしいんだ」
扉に吊るされた風鈴が、涼やかに鳴る。
「湿っぽい曲弾いてるな~」
理久がジーパンにスタジャン姿で入ってくるなり、ヴァイオリンを弾く貢の肩越し、ポツリ言う。
さりげなく席に着くなり、珈琲を注文し、スマホを取り出す。
「面白い動画、見つけたんだ。ウィーン、ケルントナー通りのヴァイオリン王子」
スマホを操作しながら、弾む声でつらつら語る。
「ほら、観てみ」
ニヤニヤしながら、スマホを差し出し、画面を向ける。
音量を目一杯上げた画面、郁子は耳を澄ませる。
「ウィーン、ケルントナー通りのヴァイオリン王子」という興味深い言葉に、貢もヴァイオリン演奏を中断し、画面を見入る。
「これって……周桜くん!?」
「そう、詩月。けっこう評判になってるらしいんだ」