君と奏でるノクターン
3章/凍えるような雪の下で
1話/いつまでも心が疼く
TO:緒方
RE:調子はどう?
本文:練習は進んでる?
無理はしていないか?
―――――
詩月は郁子への電話から1週間後。
郁子にメールを送る。
その間、幾つもメールを受け取りながら、簡単な受け答えしかしていない。
詩月は素っ気ない文面だなと、送信して思う。
絵文字も顔文字もない文面だ。
詩月は誰に対しても、絵文字や顔文字を入れたメールは送らない。
郁子からの返信。
詩月はいつも郁子を身近に感じる。
幾つも絵文字はないが、顔文字で郁子の心理状態を探る。
ピアノのレッスンの帰り、雪道を1人歩く。
Christmasのデコレーションで彩られた街が、雪明かりに映える。
マルグリットがオーナーをしているサロンで、詩月はあれから数回演奏した。
詩月は横浜、大学前の「モルダウ」で弾いていた時の感覚を思い出し毎回、胸が熱くなった。
RE:調子はどう?
本文:練習は進んでる?
無理はしていないか?
―――――
詩月は郁子への電話から1週間後。
郁子にメールを送る。
その間、幾つもメールを受け取りながら、簡単な受け答えしかしていない。
詩月は素っ気ない文面だなと、送信して思う。
絵文字も顔文字もない文面だ。
詩月は誰に対しても、絵文字や顔文字を入れたメールは送らない。
郁子からの返信。
詩月はいつも郁子を身近に感じる。
幾つも絵文字はないが、顔文字で郁子の心理状態を探る。
ピアノのレッスンの帰り、雪道を1人歩く。
Christmasのデコレーションで彩られた街が、雪明かりに映える。
マルグリットがオーナーをしているサロンで、詩月はあれから数回演奏した。
詩月は横浜、大学前の「モルダウ」で弾いていた時の感覚を思い出し毎回、胸が熱くなった。