君と奏でるノクターン
詩月はユリウスを見上げたまま、何も言わない。
碧い瞳は確かに開き、ユリウスを見つめている。
が、瞬き1つしない。
ユリウスが詩月の肩に、そっと手を置くと詩月の体がぐらりと揺らぐ。
「詩月!?」
ユリウスは椅子から崩れるように傾く詩月の体を、慌てて両腕で支える。
「――あっ」
両腕に伝わる詩月の体温、火照った細い体、「嘘だろう!?」思わず漏らす。
詩月の体を抱きかかえ、ベッドに寝かせ、洋服のボタン、ベルトを緩める。
「ユリウス、何かあったの?」
物音に気付き、マルグリットが部屋に駆け込む。
「……大丈夫だから」
体を起こしながら詩月は呟く。
「無茶をし過ぎる。がむしゃらにただ練習しても、答えはでない」
「……不安なんだ、『周桜宗月』の影が追いかけてくるようで」
細い掠れ声で弱々しく息をつきながら、ポツリポツリ話す。
碧い瞳は確かに開き、ユリウスを見つめている。
が、瞬き1つしない。
ユリウスが詩月の肩に、そっと手を置くと詩月の体がぐらりと揺らぐ。
「詩月!?」
ユリウスは椅子から崩れるように傾く詩月の体を、慌てて両腕で支える。
「――あっ」
両腕に伝わる詩月の体温、火照った細い体、「嘘だろう!?」思わず漏らす。
詩月の体を抱きかかえ、ベッドに寝かせ、洋服のボタン、ベルトを緩める。
「ユリウス、何かあったの?」
物音に気付き、マルグリットが部屋に駆け込む。
「……大丈夫だから」
体を起こしながら詩月は呟く。
「無茶をし過ぎる。がむしゃらにただ練習しても、答えはでない」
「……不安なんだ、『周桜宗月』の影が追いかけてくるようで」
細い掠れ声で弱々しく息をつきながら、ポツリポツリ話す。